異常震域とは?なぜ震源以外の場所の方が揺れるのかを解説!

「異常震域(いじょうしんいき)」とは、
震源地から遠い場所のほうが、
震源地から近い場所よりも揺れる地震のことを言います。

通常、地震は
震源地に近ければ近いほど震度も強くなる傾向にあり、
距離が離れれば離れるほど、
震度は低くなっていく、と言うのが基本です。

勿論、普通の地震でも、地域の構造や地盤などの関係で
若干のずれは生じますが、
基本的には震源地に近ければ近いほど
揺れが強い、というのが普段の地震です。

ですが、この異常震域と呼ばれる現象は
”震源地から近い場所では揺れが弱い(あるいは揺れない)”状態で、
逆に”震源地から離れている場所で最大震度を記録する”
という、とても不思議なタイプの地震になるのです。

では、この異常震域と呼ばれる現象は
どうして起きるのでしょうか。

そして”異常”などとついていると
大きな地震の前兆なの?などと不安に感じる人も
いると思いますので、その点についても
合わせて解説していきます。

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異常震域が発生する理由は?

これは、地下の構造上の問題で、
地震の震源地は、地底の浅い場所であることもあれば
地底数百キロメートルの非常に深い場所で
発生することもあります。

この場合の「浅い場所で発生した地震」ではなく
「深い場所で発生した地震」の際に、
異常震域と呼ばれる現象が発生することが多いです。

震源地が深いことにより、揺れが陸に到達するまでの
「距離」が長くなり、
震源地の真上の領域を伝わって地上に到達するまでの間、
その場所に揺れの伝わりにくい要素があった場合、
震源地真上の陸地に到達するまでの間に
地震波が弱まり、結果的に震源地真上の
震度は弱くなったり、場合によっては
地上まで揺れが届かなかったりすることがあります。

逆に、地下の構造上、
海洋プレートなどを通じて少し離れた場所に対しては
地震波が伝わりやすい状態になっていた場合、
離れた場所の陸上では、地震の揺れがあまり衰えることなく
到達し、結果的に「離れた場所のほうが強い揺れを観測する」
ということになります。

必ずしもそうなるわけではありませんが地震は
震源地の真上だけに伝わるわけではなく、
色々な方向に伝わるので、
真上が「地震のエネルギーを弱めやすい構造」になっていて
周囲が「地震のエネルギーを弱めにくい構造」になっていた場合
真上にはエネルギーが伝わりにくい=地上の揺れは弱くなる
周辺にはエネルギーが伝わりやすい=地上の揺れは強くなる

ということになります。

大きな地震の予兆だったりするの?

異常震域は「異常」などという名前は
ついていますが、別に異常な自然現象ではなく
通常、起こりうる現象です。

そこまで頻繁に起きるわけではありませんが
時折起きることであり、
「特別異常な地震活動」ではありません。
普通の「時々起こる地震活動」の一つです。

過去に異常震域の地震は何度も確認されていますが、
そこから大きな地震に繋がったのかどうか、と
言われれば答えはNoです。

勿論、偶然が重なるような可能性はありますが
異常震域の地震が発生した=地震の危険性が高い、ということでは
ありませんので、
この手の地震が発生したとしても
特に、特別意識するような必要はないと言えます。

ただ、逆に言えば、地震がいつ発生するか
本当に見当のつかないものである、ということも
確かなことですから、その点はしっかりと忘れないようにし、
地震に対する最低限の備えなどは
しておくことをおすすめします。

なお、ネットなどを中心に
異常震域の地震も含め、地震が発生すると
必ず、預言もどきのようなことを言い出す人もいますが
そういったものは全て「デマ」であると
気象庁のサイトに明記されていますので、
そのような情報に惑わされないように、
注意しておきましょう。

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特別注意する必要のあることは?

異常震域による地震が発生したら
特別、注意するようなことはあるのでしょうか?

答えとしては「特に特別注意することはない」というのが
答えですね。

もちろん、異常震域だろうと、普通の地震だろうと、
地震であることには変わりありませんから、
地震から身を守る行動は必要ですし、
地震そのものには注意する必要はあります。

ただし、「異常震域だから」と、特別
いつもより注意する必要のあるようなことはない、
ということです。

そもそも、異常震域による地震かどうかなど、
揺れている最中には基本的には分からないことですから、
揺れている最中にそのようなことを気にしても
全く意味がない、ということですね。

特別な警戒をする必要はありませんが、
「普通の地震」と同じように、
地震そのものには警戒する必要がある、ということになります。

揺れ自体に特徴はあるの?

異常震域が発生する場合
震源地が深い場所であることが多いために、
震源地から、実際に揺れが届くまで
ある程度の時間(と、言っても数秒から数十秒の違いですが)が
かかる場合があります。

また、浅い場所で発生する地震と比べると、
地上に到達するまでにある程度エネルギーが
軽減されることも多いために、
地上の震度としては、若干弱まるようなケースも存在します。

揺れ方自体は、その時その時の地震によっても
異なってきますから、一概に「こう」ということは
ありませんが、
”深い場所で発生した地震”の特徴が
そのまま出て来る感じになります。

とは言え、先ほども書いたように
対処方法・身を守る方法としては
「普段の地震と同じように身を守ればいい」
というのが、答えになります。

異常震域かどうか、より、
まず身を守ること、です。

まとめ

どんな地震であろうとも、まずは「身を守ること」
これが最優先です。

異常震域は大きな地震の前触れだとか
そういうものではないので、
その点に関しては、安心してください。
(もちろん、異常震域の地震とは関係なく
大きな地震が発生する可能性は0ではありません)

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