地震警戒宣言、という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
これは、大規模地震対策特別措置法という法律に基づいて
発令される緊急警報で、
地震が発生する前に、何らかの前兆現象を捉えた場合に
発令される、というものです。
全ての地震に適応されているわけではなくて、
ごく一部の地震にのみ、この地震警戒宣言が
適応されています。
こちらでは、この地震警戒宣言とはどのようなものか、
どのような対応をすれば良いのかについて
書いて行きます。
東海地震に対するものとして…
この地震警戒宣言というものは東海地震に対するものとして
設置されたもので、東海地震の前兆などを補足した場合に
発令される警戒宣言になっています。
しかしながら、2017年に方針の転換がおこなわれて
現在、こちらの宣言は取りやめの方向となっており、
結局のところ、一度も発令されなかった、というものになります。
現在は南海トラフ地震に関連する情報の運用が開始
されており、こちらの東海地震にのみ着目
された情報に関しては、そちらにシフトした感じになりますね。
発表される条件は?
東海地震に関する何らかの異常(前兆)などを見つけた場合、
この地震警戒宣言が発令されることになります。
気象庁が行っている各種観測によって、
何らかの異常を察知した場合に、地震発生前に
地震の発生が迫っている!ということを知らせるためのものに
なっています。
東海地震注意情報や東海人予知情報(警戒宣言)などと言った
かたちで発表され、注意を促すかたちになります。
が、前述したように現在はこれらは取りやめになっているため、
このようなカタチで情報が発令されることは
基本的には無くなりました。
警戒宣言が出るとどうなるの?
実際のところ、大きな地震の発生を事前に察知できたケースは
今現在のところ、存在せず、
東海地震に限らず、警戒宣言などというものが
行われたことはありません。
今後の地震においても、予知は難しく、現時点では
警戒宣言が出るような可能性は限りなく低い、
と考えておいた方が良いでしょう。
仮に、警戒宣言が出るとどのようなことが
起きるのでしょうか。
それを見ていきましょう
・臨時ニュースなどの報道
・防災無線などによる情報の拡散
・ライフラインの使用などに関する呼びかけ
・一部電話の規制が行われる可能性
・公共交通機関の運休などの処置
・デパート等の店舗の営業停止
・銀行や郵便局などの営業停止
・レジャー施設などの営業停止
・病院の一部診療停止
・学校の授業の中断
このような対応が行われると想定されています。
ただし、今までに一度も実例が無いうえに、
2017年には方針転換しており、
このような対応が今後行われる可能性が
低いと思われます。
もしも地震を事前に察知できたとすれば、
こういう対応も考えられますが、
今現在の状況では、それは不可能なことだと思いますし、
かえって混乱を招くだけでしょう。
実際に事前に察知はできるの?
今までの地震を事前に察知できたことはありません。
今までに発生したどの地震も、
「突然」やってきたものです。
そういう意味では紹介している「警戒宣言」のような
ことを行うのは現時点では非常に難しいことであるのも事実です。
いつ、どこで、どんなタイミングで、これをはっきりと断定するのは
不可能ですし、現時点では「スロースリップ現象がみられる」だとか
漠然とした予測しか出来ません。
なので、実際に事前に察知することは
不可能と言っても良いでしょう。
実際に、2017年には予知を前提とした警戒宣言の発令は見直しされており、
予知が今の時点では不可能であることを裏付けている結果に
なっています。
今度、何十年とかかればまた変わるかもしれませんが、
今の時点では難しい、というのが現実になりますね。
他の記事でも書いていますが、世の中に溢れている地震予知のそのほとんどは
”デマ情報である”ということも、しっかりと頭には入れておかなくてはなりません
(実際に気象庁に”予知はデマ”と明言されています)
もしも警戒宣言が出たら?
取りやめの方向になっていたとしても、仮に何らかの事前に察知
できるような状況になった場合、警戒宣言のようなことが
行われる可能性は充分にあります。
そんな場合はどうすれば良いか。
基本的には身の安全の確保を出来る場所に移動して、
防災グッズなど持てるものを持っておくのが良いと思います。
最新の情報にしっかりと注意を払って
パニックにならないように行動するようにしましょう。
ただし、前例のないことなので、周囲も、それを伝える側も
パニックになっている可能性が十分に考えられます。
パニックが引き起こす二次的な災害に巻き込まれないように
することも、大切なポイントになるかと思います。
まとめ
地震警戒宣言…実際に大きな地震の前に
こういったものが発令された前例はなく、
どの地震もある日、突然やってきています。
このことからも、今の時点では、
たとえ数時間前であっても地震の兆候を察知する、ということは
非常に困難なことであり、
不可能なことであることが分かると思います。
今後、科学が発展していけば、また変わって行くのかもしれませんが、
現時点でできることと言えば「いつ来るか分からない地震」に対して
最大限の備えを行っておくことぐらいでしょうか。
ただ、もしもの時のために、
こういうものもあるんだな、と覚えておくことは
決して損にはならないかとは思います。