千葉県東方沖周辺では、
数年に一度スロースリップと呼ばれる現象が発生し、
それに伴い群発地震が発生する現象が起きています。
これ自体は、過去に何度も起きていることであり、
千葉県周辺では珍しい現象ではなく、
必ずしも大きな地震に繋がるものではありません。
しかし、毎回これが起きるたびに、
それなりに騒がれていることもありますし、
実際に小規模な地震も含めると回数が増えるために
不安に思う人もいると思います。
それでは、千葉県東方沖周辺のスロースリップとは
何を示しているのか、
大きな地震に繋がる可能性はあるのかどうか、
この点について解説していきます。
スロースリップとは?
プレートが「ゆっくり動く」現象のことです。
これに伴い、周辺では地震活動が一定期間
(大体、千葉の場合は数週間~1か月前後ぐらい)
活発化することがあります。
ただし、プレートが「ゆっくり動く」ことにより、
回数は増えるものの、大きな地震ではなく
人間が感じることのできない揺れ~小規模(稀に中規模)な地震が
中心となっており、過去に千葉県東方沖周辺で
スロースリップが発生した際にも、
小規模~中規模の地震が中心となっており、
ここ最近が千葉のスロースリップで再規模な地震が
発生したことはありません。
なお、スロースリップは他の場所でも発生することがあり、
場所によって性質も大きく異なるため、
あくまでも↑は千葉県周辺のスロースリップの話となります。
スロースリップと呼ばれる現象全てが
大きな地震に繋がらない、というわけではありませんので、
ご注意ください。
千葉では5年前後に一度起きている
今後、変わることはあると思いますが
最近では、千葉では5年前後に一度、
このスロースリップと呼ばれる現象が起きており、
2023年、2018年、2014年、2011年、
2007年、2002年、1996年にそれぞれ
発生が確認されています。
定期的に起きていることであり、
千葉県の場合は言い方を変えれば”よくあること”ではあるので、
過剰に怖がる必要はありませんが、
地震活動が活発化している間は、
備えを見直すなどの注意はしておきましょう。
過去の事例では大きな地震は発生しているの?
上に挙げたスロースリップの発生時は、
いずれも大規模な地震には繋がっておらず、
発生したのはいずれも中規模~小規模の地震が中心です。
そのため、千葉県でスロースリップが発生=大きな地震が発生、
ということではありません。
過去の事例から言うのであれば
確率的には”スロースリップが発生しても大きな地震は発生せずに終わっている”ことが
ほとんど、ということになります。
ただしM5前後(千葉県で震度5弱前後)の地震が発生している
時はあるので、
中規模の地震には注意をしておくことが重要です。
なお、中規模の地震も発生せずに終わっていることもあるために、
ただ単に細かい地震が一時的に増えるだけで
スロースリップ現象が終わることもあります。
過去の事例から言えば
「確率的には大きな地震に繋がる可能性は低い」と、
いうことですね。
小~中規模な地震の回数が増える傾向
千葉県周辺のスロースリップは一度発生すると
基本的には小~中規模な地震を中心に回数が
増える傾向にあります。
基本的には過去の事例から言うと、
↑でも書いたように大きな地震ではなく
細かい地震が中心で、まれに中規模(M5前後)の地震が
そこに混ざってくるような形であることが多いです。
いずれにせよ、小規模な地震も含めると
このスロースリップが発生した場合、
一定期間周辺地域の地震活動がある程度活発化することが多く、
地震の回数としては増える傾向にあります。
中規模、と言っても震度5弱などが発生する場合もあり、
過去のスロースリップでも、5弱程度までは
記録している事例があるために、
念の為警戒はしておくにこしたことはありません。
大きな地震が起きる可能性は?
これは、何とも言えません。
上で書いた通り、過去のスロースリップにおいては
大きな地震が発生しておらず、
確率的に言えば、”これまで通りなら低い”のは事実でしょう。
しかし、地震活動は人間が制御しているものではなく、
全て”これまで通り”とは限らないものです。
良い方向にも、悪い方向にも想定外のことが起きる
可能性があるものなので、
これまで大丈夫だったからと言って、これから先も
スロースリップ=大きな地震がないとは限りません。
あくまでも”今まで通りなら可能性は低い”ということです。
過剰に怖がる必要はありませんが、
絶対にない!と油断してしまうのも良くないので、
備えの見直しなどはしておきましょう、ということです。
もちろん、スロースリップに関係なく、
どこの地域でも大きな地震が発生することも
あるわけですから、この点は覚えておきましょう。
必ず不安を煽る人が出てくるので注意
千葉でスロースリップが発生すると
その場所柄、必ず不安を煽るような人・報道などが
出てきますが、
先ほどから書いている通り、千葉のスロースリップ自体は
5年前後ぐらいに1度、起きているものであり、
定期的に起きていることです。
近年の事例では千葉のスロースリップが発生した際に
大きな地震は発生していませんので、
過剰に不安を煽るような情報には注意してください。
少なくとも、この活動が直接的に直下型の地震だったり、
南海トラフ地震だったり、そういったものに関係するものではありません。
また、東日本大震災前にもスロースリップが起きていた、というような
話も必ず口にする人が出てきますが
これは千葉ではなく、震源地が異なる場所でのお話になるため、
千葉のスロースリップとはまた事情が異なります。
同じスロースリップでも場所が違えば
その活動傾向も異なりますので、この点にも注意しましょう。
過剰に不安を感じることはなく、
けれども油断だけはしないように、
最低限の備えを見直しておく、ということをしておけば
あとは過剰に怖がる必要はありません。
千葉のスロースリップは少なくとも、2018年~1996年に
何度も何度も発生していますが、それが大きな地震に
繋がってはいない、ということは
紛れもない事実ですので、
そのことはよく覚えておきましょう。
結局のところ、どうすれば良いの?
過去の事例から、必ず大きな地震に繋がるものでは
ありませんので、過剰に心配する必要はありません。
ただし、震度5弱程度でも、当然油断をすれば
怪我をしたりすることもありますし、
それ以下でもそれは同じことなので
その点は注意しておくこと、
そして、過去の事例通りに100%進むとは限りませんので、
念の為、備えの見直しや、避難経路の確認などだけ
改めて防止意識を見直しておく、ということを
やっておくと良いと思います。
ただ、それ以上怖がったり、
例えば遠くの地方に逃げたり、
そういうことはしなくて大丈夫です。
どこの地域でも地震が発生するときは発生しますので
そこまで心配してしまってはキリがありません。
過剰に騒ぐことなく、良い機会として
備えなどを見直し、念のため警戒しておく。
これぐらいで対応としては十分です。
まとめ
場所が場所かつ、どうしても回数的には
地震が多くなるために
必ず過剰に騒ぐ人も出ます。
もちろん、警戒は大事ですが
必要以上に怖がったりすることのないように、
注意していきましょう。
もちろん”絶対に何も起こらない”
ということではありませんが
過去の事例から、確率的に言えば”大きな地震の発生にはつながらずに
活動が終わる”ことが多いのは事実です。