ハザードマップは役に立たない?その理由と今度の課題は?

自然災害による被害を予測し、
地図上に表示したものが
「ハザードマップ」です。

しかしながらこのハザードマップ、
実際のところはあまり役に立たない、というのも
実情としてあります。

確かに、防災の観点から見れば大切なものではあるのですが、
それが思うように役立てられていない、というのが
今の世の中の現状ですね。

ハザードマップがなぜ、あまり役に立たないものなのか、
その点についてをお話していきたいと思います。

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ハザードマップとは何か?

ハザードマップとは、自然災害による被害をデータなどから
予測して、その被害範囲を地図化したものになります。
それを見ることにより、どの地域がどのぐらいの被害を
受けると想定されるのか、など、そう言った情報を
確認することができるものになっています。
被害予測地図の名称で呼ばれることもあります。

災害発生地点や被害の範囲、被害の程度、避難経路などが
掲載されており、防災対策の一環として
1990年代から政策がすすめられています。

が、実際のところ、実用性は現在のところでは
それほど高くない、というのが現実だと思います。

役に立たない理由や、問題点について、それぞれ見ていきましょう。

自然災害の発生を予知するものではない

まず、現時点では、地震災害の予知をすることはできません。
色々な研究が行われたりもしていますが
いずれも成果は出ていないほか、
個人や週刊誌などが、勝手な予知をして
不安を煽っているような予知しかないのが現状です。

このハザードマップに関しても、あくまでも”予測”であり、
予知ではありません。
コンピューターなどのデータなどから算出した被害予測などでは
ありますが、地球の活動は
プログラミングで動いているわけではないので、
ザンネンながらハザードマップに書かれている通りの
被害になることはあまりないでしょう。

むしろ、何らかの想定外の事態が起きることがほとんどであり、
そういった意味ではハザードマップも、
ただの予想の一つに過ぎない、というのが実情で
あると思います。

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自然災害は想定外の連続!

自然災害とは、想定外が連続するものです。
ハザードマップの想定通りに行く可能性は少なく、
予想外のことが起きて、結局、その部分で
被害を拡大させてしまう、ということも多いのです。

実際に過去にハザードマップが避難に役立った
ケースなどもありはしますが、
ハザードマップとの想定とは全然違う結果になってしまって、
それが悲劇につながっているケースもあります。

そのため、ハザードマップは大切なものではありますが、
それを鵜呑みにし過ぎてしまう、というのは
考え物だと言うことですね。
あくまでも参考の一つとして利用するのが良いかと思います。

地震に関してもそうですが
地震発生確率などというものはアテになりませんし、
被害状況などに関しても、あくまでも目安の一つでしかありません。

実際に過去の震災では何度も「想定外」の出来事が起きています。
東日本大震災における津波の被害も想定されているものでは
ありませんでしたし、熊本の地震の際の前震・本震に関しても
想定されているものではありませんでした。
このように、人間の自然災害に対する想定など、
曖昧で不完全なものなのです。

ハザードマップも結局は人間が作っているモノだと言うことを
忘れてはいけません。

浸透しているかどうかの問題も…

ハザードマップが浸透しているのかどうか。
これも、問題ですね。
皆様は自分の地域のハザードマップを見たことがありますか?
ない!という人も多いのではないでしょうか。

ハザードマップを完成させたとしても、それが浸透
していかないのでは結局のところ、意味はありません。
現状のハザードマップに関しては本当にひとつの資料ぐらいにしか
ならないのも事実ですが、
もしも今後ハザードマップが進化して
さらに正確性が増したとしても、
ハザードマップを見る人が少なく、
それが浸透していないのでは、何の意味もありません。

ハザードマップが多くの人に浸透するためには
まだまだ課題もいろいろとありますし、
どんなにハザードマップが意味のあるものに
なったとしても、それが人々に見てもらえないのであれば
意味がありません。

この辺りも今後の課題の一つと言えるのではないでしょうか。

知っておくのは損ではない

ハザードマップに関しては、
上でも書いた通り、自然災害は想定外の連続なので、
信じ込んでしまうのは問題ですし、
臨機応変の対応が出来るようにしておかなくてはなりません。

しかしながら、ハザードマップの存在について
知っておくことはとても大切だと思いますし、
損にはならないかと思います。

どのような想定が出ているのか、
”ひとつの目安”として
自分の地域のハザードマップを把握しておくのは
悪い事ではないかと思います。

ただ、これまでにも書いてきたとおり、
あくまでも”目安として”であることは
忘れないようにして下さい。
鵜呑みにしてしまえば、かえって自分の身を危険に
晒すようなことにもなってしまうかもしれません。
その点に関しては、注意です。

ちなみに、ハザードマップ自体は
各自治体や市区町村などのサイトで確認することが
できますので、まだ見たことがない!という方は
お試しでも良いので、一度見てみた方が、
良いかもしれません。

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実際の災害では…

ハザードマップを確認したからと言って、
これまでに書いている通り、実際の震災時に
教科書通りに行くことは、まずありません。
ハザードマップに関してもそうです。
あくまでも人間が勝手に想定したものであり、
実際に自然災害が発生した際には、
ハザードマップとは全く異なる流れに
なる可能性もあるのです。

そのため、覚えておくことも大切ですが、
”一つの可能性”ぐらいに留めておくようにしましょう。
実際の自然災害では、これまでの自然災害でもそうでしたが
”想定外”が連続するものです。
決して、事前の想定通りに行くとは限りませんし、
むしろ、想定外のことが頻繁に起きるものです。

災害に遭遇した際には
事前知識が役に立つこともありますが、
事前知識という固定概念に囚われていると
逆に苦しい状況に追い込まれてしまう可能性もありますから
そうなってしまわないように細心の注意を払い、
臨機応変で対応していく必要があるのです。

今後の課題は?

ハザードマップの今後の課題は何でしょうか?
当面の課題は、精度の向上でしょうか。
なかなか難しいのも事実ですが、現状の
ハザードマップではただ単に”予想”を記しているだけにすぎず、
実際の自然災害の際にあたることもあれば、
足を引っ張るだけの結果になってしまうこともあるでしょう。

また、認知拡大も課題の一つにはなると思います。
今後、ハザードマップの精度があがったとしても、
見る人が少なければ意味がありません。
そのため、どのようにして色々な人に見てもらうのか、
という点も、ハザードマップの大きな課題となっていくでしょう。

それらをクリアしていくことで、
今よりも有用なものに変われるのではないかと思います。

まとめ

なかなか難しいことではありますが、
現時点ではハザードマップにそれほど大きな実用性が
ないのも事実です。
想定していないことが多すぎて
地震災害の有事の際に対応しきれるものになっていない、
というのが現状でしょう。

しかしながら、今後、ハザードマップを改良していくことによって、
役立つものにすることは
不可能なことではない、とは思います。
そういう意味では、まだまだハザードマップは
発展途上、ということかもしれませんね。

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