りんご台風と呼ばれる
台風が存在します。
これは一体どういう意味なのでしょうか。
美味しそうな響きに聞こえるかも
しれませんが、
これは決して、食べ物のことではなく
かつて日本で大きな被害を出したとある
台風についた別名になります。
”りんご台風”と呼ばれる台風に
ついて、解説していきたいと思います。
どの台風のこと?
りんご台風とは、
1991年9月に発生し、
大きな被害を与えた「台風19号」に
つけられた別名です。
日本列島に大きな影響を及ぼし
1000人以上の負傷者を出したうえに
犠牲者まで出した、
とても甚大な被害を出した台風になっています。
発生時期は?
1991年の9月16日に発生した台風です。
その後、同年の9月28日に温帯低気圧に
変わるカタチで、台風としての一生を終えました。
9月27日には日本の長崎県に上陸するなど、
非常に大きな影響を各地に与えた台風と
なっています。
発生から消滅までは12日と6時間と
なっており、台風の中でも比較的
その寿命は長いのが、このりんご台風でした。
強さはどのぐらいだったの?
最低気圧は925hpaとなっており
非常に大きな台風となっていました。
最大風速は50m/sとされています。
九州上陸時でも940ヘクトパスカルという
非常に大きな勢力を保っていたうえ、
その後に北海道に上陸した際にも
955ヘクトパスカルを維持しており、
この時点でも非常に強力な台風でした。
なお、温帯低気圧になった時点でも966
ヘクトパスカルを維持しており、
非常に強力な台風であったことが
分かるかと思います。
名前の由来は?
なぜ、この台風が「りんご台風」と
呼ばれているのか?
普通の台風は、台風〇〇号という名前が
つくのと、現在ではアジア県内で
名前(花の名前だとか動物の名前など)が
順番についていく形式になっていますが、
この台風は「りんご台風」などという
呼び方も使われています。
これは、この台風19号による
青森県でのりんご被害が甚大だったために
つけられた呼び名で、
当時、収穫前のリンゴのほとんどが
木から落ちてしまい、そのまま食べるのには
不向きな状態になってしまい、
ジャムなどに回されることになりました。
被害額としては相当甚大なものに
なっていたようです。
こういった被害からついた呼び名が
「りんご台風」ということになりますね。
決して台風がりんごのカタチを
していただとか、そういったことでは
ありません。
被害はどのぐらい?
被害はあらゆる場所で起きており
東北から九州、北陸、中国地方や四国地方などなど
それぞれに被害を及ぼしました。
上記のりんごの被害もそうですが、
人的被害も非常に大規模なものになっており、
犠牲者は62名、
負傷者は1261名に登りました。
各地での建造物への被害
(重要文化財への被害などもありました)、
停電など、大きな被害をもたらしています。
進路はどんな感じだったの?
マーシャル諸島の西海で発生、
その後は西へと進み、
宮古島東海上で進路を北東に変更しました。
その後に日本に上陸するわけですが
それまでの進路では
ずっと海にいたために、
台風の勢力がより強大になってしまう
一因となりました。
最初に長崎県に上陸、
その後は日本海上を進み、
後に北海道に再上陸し、
最後はオホーツク海の方に抜けて
温帯低気圧となりました。
北海道や東北が台風の影響を
本格的に受けることは少なく、
その点も台風被害を大きくする原因と
なりました。
また、上陸後の速度が非常に早く
急激に天候が悪くなったり
風が強くなったり、ということを
引き起こしていたために、
それもまた、被害を大きくする原因となりました。
ニュースなどで使われることも
現在でも「りんご台風のような台風」だとか
そういった言われ方をすることもあります。
この、りんご台風のような
進路や強さの台風が日本に
到達すれば、このりんご台風から既に何十年も
経過しているとは言え、
間違いなく被害は出てしまうでしょう。
台風に対する危険意識も高まっているとは言え、
やはり、防ぎようのない被害があるのも事実です。
「りんご台風のような台風」という
表現をされている台風が発生したら
それは「非常に危険な台風」であるということです。
もちろん、同じ人間が2回、生まれないのと
同じように、全く同じ台風は2度、生まれませんが
”同じような”感じの台風が
出現することは充分に考えられます。
”りんご台風”のような台風がやってくる、
と言われている場合は、いつも以上に注意をし、
備えをしておくようにしましょう。
もちろん、どの台風でも備えをすることは
必要ですが、上記を見ても分かるように
「りんご台風」というものは非常に
甚大な被害をもたらした台風です。
実際に経験したことのない年代の人も
これからどんどん増えて行くと思いますし
だんだんと言葉の意味も伝わりにくく
なっていくとは思いますが、
とにかく”危険な台風である”ということ
だけでも、覚えておくようにしましょう。
まとめ
「りんご台風」を体験したことがある方も
そうでない方も、台風の怖さというものは
しっかりと認識しておかなくてはいけません。
台風は、地震とは違い、事前に接近することを
把握できる自然災害になります。
そのため、限界はあるとは言え、備えを
することもできます。
台風が自分の地域に接近している場合は
りんご台風と似ていようと、似ていなかろうと
しっかりと自分にできる範囲の対策をし、
安全対策をしっかりとしておくことが
実を守るために、大事なことになるのです。