長野県北部地震(ながのけんほくぶじしん)は、
2011年3月12日に発生した地震災害です。
基準を満たしていなかったため、
具体的な名前はついていないのですが、
被害を出し、建物の倒壊なども招いた
大きな地震災害の一つでもあります。
発生したのは2011年3月12日の3時59分、
多くの方が寝静まっているであろう時間帯でした。
また、時期を見てもらうと分かるかと思うのですが、
前日の2011年3月11日には、
あの東日本大震災が発生しており、
それから1日と立たないうちに、また別の
大きな地震災害が発生したということで
衝撃を与えました。
一方で、世間の目は東日本大震災ばかりに
行っており、この長野県北部地震については、
報道されなかったり、あまり話題にならなかったり
していたのも事実です。
が、この地震も被害者を出した大変な地震災害であることに
違いはありません。
どのような地震だったのか
2011年3月12日に発生した地震で、
長野県北部を震源とした地震です。
マグニチュードは6・7で、最大震度6強を
観測した大きな地震です。
内陸部を震源としたものだったため、津波などは
発生しませんでしたが、直下型の地震であるために
建物に大きな被害を出しました。
独自の名称が定められる基準に達していないとのことで、
長野県北部地震、という名称のままですが、
現地などでは新潟・長野県境地震や、栄村大震災などといった
名称も用いられています。
地震の強さ
地震の強さは、先にも書いた通り、
マグニチュード6.7の地震で、最大震度6強を
記録しています。
その他、周辺地域で、震度6弱や5、4など
大きな揺れを観測した地点も多く存在しました。
東日本大震災の翌日ということもあり、
混乱が続く中の地震であったために、
更なる混乱を招くことになりました。
余震はあったのか
長野県北部地震にも、余震が存在していました。
特に、地震発生直後には大きな余震も
頻発していましたが、
次第にこれは沈静化し、同時期に発生していた
東日本大震災の余震と比べると、
比較的早い段階で鎮静化しました。
とは言え、地震発生当日には震度6、5クラスの
余震が複数回発生しているほか、
4月、6月にも、最大震度5を超える余震が記録
されており、強い余震が繰り返されたのも特徴の
1つになります。
なお、後述しますが、この地震自体は
”東日本大震災の余震”ではなく、
東日本大震災における地震活動とはまた別の
地震活動になるため、直接的な関係はありません。
前触れなどはあったのか?
前兆現象とされる現象の発生は特には
報告はされていません。
一部の研究者らが、この地域での地震発生を予測していたようですが
具体的な時期などを予測していたわけではなく、
あくまでも、近年言われているような”南海トラフが起きるかもしれない”ぐらいの
レベルのお話であり、具体的に予知されていたわけではありませんでした。
この地域での直接的な前震活動などは
確認されておらず、
前日の3月11日に三陸沖を震源とする大地震が起こり、
東日本大震災が発生しましたが、
その時点ではそれに誘発されてこの地震が起きる、などということは
誰にも分かりませんでしたし、
現在でも、それは難しいことであると思います。
と、いうことで長野県北部地震については
予知は非常に困難であったと考えられます。
東日本大震災の余震ではない
こちらの地震は、東日本大震災における余震活動の
1つとして考えられてしまいがちですが、
実際には、全く別の地震活動であり、
東日本大震災の地震の余震ではありません。
ただし、全く無関係ということではなく
他の巨大地震が原因で起きる、遠方誘発地震であったと
される説が有力になっています。
つまりは、東日本大震災に影響されて、
他の地震の発生につながってしまった、とそういうことになります。
東日本大震災の地震の余震ではありませんが、
その影響で、別の地震活動が刺激されてしまった、ということですね。
大きな地震においてはこういうことも時々起こることです。
なお、東日本大震災発生当時には
3月15日に「静岡県東部地震」というものも発生しており、
こちらも、この長野県北部地震と同じように、誘発されたことにより
発生してしまった地震活動であると言われています。
各地で大きな地震が誘発される…
それほどまでに東日本大震災のエネルギーは強大であった、
ということがうかがえます。
6月の地震は無関係
同年の6月には長野県中部でマグニチュード5.4
最大震度5強を記録した大きな地震が発生しています。
しかしながら、こちらは長野県北部地震の余震ではなく、
東日本大震災によって誘発された
北部地震とはさらに別の”誘発地震”であると
考えられています。
こちらに関しては大きな被害にはなりませんでしたが、
地震活動としては充分大きな部類に入りますし、
東日本大震災の影響の強さが本当に窺い知れる
現象になっているのではないかと思います。
被害状況はどうだったの?
この地震でも、被害が出ており、
人的被害、建造物への被害、経済被害などを
出してしまうことになりました。
犠牲者の数は3名、
負傷者は60名以上にも及びました。
また、建造物への影響は、
全壊・半壊・居住区以外の損壊なども含めると
3000件以上にも及び、
その被害の凄さが見て取れるのではないかと思います。
東日本大震災に隠れてしまいがちで、
その被害の程度が知られていないことも多い
地震災害ではありますが、
震度6強、というのは、とても大きな揺れであり、
その被害状況は深刻なものとなっていました。
その他の影響も…
雪が降る地方であったことから、地震によって
雪崩が誘発されてしまい、
それらが住宅などの損壊に繋がった部分もありました。
東日本大震災の津波もそうですが、
地震の揺れによって、地震そのもの以外にも影響を
及ぼし、人間に対して牙を剥くことがあるのが、
地震災害の恐ろしい部分の一つです。
交通機関などの麻痺も発生し、
地震発生直後は、交通・流通の双方に
大きな影響を及ぼしました。
ライフラインに関しても「断水」が発生するなどし、
地震災害からしばらくの間、ライフラインが
絶たれた状態での生活を余儀なくされている、という実情がありました。
大きく混乱していた状態
当時、東日本大震災により、世の中は大きく混乱している
状態でした。そんな中での、別の地震発生により、
さらに混乱は広まることに。
各地での流通や自粛ムード、
計画停電などなど、本当に異様な雰囲気に包まれてしまうほどの
大きな一連の自然災害でした。
長野の地震も、静岡の地震も、どちらにも言えることですが
本当に大きな地震であったことは確かなことですし、
当時起こっていたすべての地震は、後々に非常に
大きな影響を与えたのは間違いありません。
今後の地震対策に活かすことのできる部分は生かしていく、
ということもとても大切になるのではないかと思います。
学ぶべき部分は、しっかりと学んでいきましょう!
まとめ
長野県北部地震も、非常に大きな地震災害でした。
雪崩などを誘発してしまったのは、雪の降りやすい地域ならではの
特徴になりますね。
津波にせよ、雪崩にせよ、地域によっては
”地震の揺れ”以外の危険も発生する、ということは
覚えておかなくてはなりませんし、
自分の地域には揺れ以外にどのような危険が
生じる可能性があるのか、ということは
常に意識しておいた方が、良いのではないかと思います。
いざという時に「こんなはずじゃなかった」では
遅いですから、しっかりと日頃から対策をしておきましょう!