「雲放電」という言葉を聞いたことが
ある人もいると思います。
雲放電も「雷」の一種ではあるのですが
落雷とは少し、状況が異なります。
その点について解説するとともに、
安全面などについても、合わせてお話をしていきます。
雲放電とは「雲の中」での放電
雲放電とは、
簡単に言うのであれば「雷雲」の中で
鳴っている雷のことで、
落雷は、雲から地上に放電が行われて、
いわゆる「雷が落ちる」という状態になりますが、
雲放電の場合は、雲の中で完結するため、
地上に対して「雷」は落ちて来ません。
そのため「雲放電」だけであれば
多くの場合、地上への被害は生じにくいのも事実です。
落雷=地上の中に落ちる雷
雲放電=雲の中の雷
と、覚えておくと分かりやすいのではないでしょうか。
雲放電自体の方が人間にとっては「安全」ということになります。
どのみち屋外が危険なのは変わりない
気象庁の雷レーダーなどを見ると
「雲放電」と「落雷」の回数が分かるようになっています。
場合によっては雲放電だけの時などもあるでしょう。
しかしながら、勘違いしてはいけない点としては
「仮に、雲放電しかしていないようなタイミング」でも、
危険であることには変わりはない、ということですね。
先ほども書いたように、雲放電自体は、
基本的には雲の中、あるいはその周囲での発雷であり、
雷が地上に落ちることはありません。
停電する可能性も低いですし、雷が落ちない以上、
建物が火災になったり、人的被害が出たりすることは
「雲放電」であれば、ありません。
しかしながら、雲放電しているような場合は
いつ「落雷」が発生してもおかしくない状況です。
仮に、10分間「雲放電」しかなかったとしても
雲放電しているような状態では、十分に落雷が発生する
条件はそろっていますから、急に落雷が発生する可能性は
十分にあります。
「今回の雷雲は雲放電しかしない」などということは
人間には絶対に分からないことですし、判断することは
できません。
そのため、雲放電が発生している=落雷が発生する可能性も十分にある
と、いうことは認識しておいた方が良いですね。
雲放電なら被害が出る可能性は非常に低い
上でも少し書いた通り、雷自体で被害が出るのは
「落雷」の方です。
雷が地上に落ちるからこそ、
人間が大けがをしてしまったり、
建物が火災になってしまったり、
発電所などがダメージを受けることによって
停電が発生したり…ということが
起きてくるわけです。
しかしながら、雲放電の場合は、地上に
雷が落ちるわけではありませんので、
基本的に「雲放電しか発生していない」のであれば、
被害が出る可能性は限りなく低いでしょう。
ただし、先ほども書いたように
雲放電が発生している以上、落雷がいつ発生しても
おかしくないのも事実なので
「仮に雲放電しかなければ被害はほとんど発生しない」ですが、
落雷を伴う可能性は十分にあるので、
雷が鳴っている以上は、油断をしないようにする、ということも
大切なポイントの一つになります。
雷の音はどっちが大きいの?
同じ雲放電でも、音の大きさはその時によって異なりますし、
同じ落雷でも、音の大きさは毎回一定ではありません。
また、雲放電や落雷が発生する際のタイミングによっても、
このあたりの部分は、当然、異なってきます。
ですが、落雷の方が地上に向かって雷が
放たれるわけですから、当然、その音は雲放電よりも
さらに大きく聞こえる場合が多いですし、
そのエネルギーも莫大なエネルギーとなります。
音に関しては距離など、色々な条件によって変わりますが
雲放電よりも落雷の方が大きな音が聞こえがち、ということになります。
雷の光はどうなるの?
雲放電でも、当然その部分を見れば雷の光は見えます。
が、よく見るような「雷が落ちている」写真や映像のようなことには
なりません。
雲放電の場合は、あくまでも上空だけのものになりますので、
光に関しても、落雷が発生する場合より、見えにくかったり
弱く感じたりすることがほとんどです。
雲放電が発生している際の注意点
雲放電が発生している場合の注意点としては
「雲放電も落雷が発生しているときと同じように考える」
ということです。
普通にしているだけでは、雲放電か落雷かなどは、
あまり気にしないと思いますし、分からないと思いますが
雷レーダーなどを見ている人は
「雲放電しか起きていないな」みたいなことも
分かると思います。
ですが、先ほどから書いているように、
雲放電しているようなタイミングでは、
雲放電だけではなく、落雷が発生する可能性も
十分に存在しています。
そのため、雲放電が起きている=落雷発生時と同じことを注意する
べきです。
「人間に対する被害」
「家電製品に対する被害」
この2つを注意するべきですね。
不要不急の外出は控え、できる限り頑丈な建物に避難し、
もしも外に出る場合も「広い場所」「木の側」など
リスクの高い場所は回避するようにしてください。
ご自宅の中では利用していない家電製品の
コンセントを抜くなど、家電製品を守る行動も
大事になります。
まとめ
「雲放電」だけなら、
被害が出ることはまずありませんが
雲放電しているタイミングでは
落雷も、数秒後に発生する可能性がある状況だと
考えて下さい。
そのため「雲放電であろうと落雷であろうと
危険なことには変わりない」という認識をするようにし、
可能な限り屋内で過ごすこと、
使わない家電製品のコンセントなどを抜き、
機器の破損を防ぐことなどは、
しっかりと徹底していきましょう。
それが、自分の身を守ることにつながります。